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『最期のそのときまで、痛みなく、穏やかに。』イナムラくん物語

元ボス猫のイナムラくん。

厳しい外の世界で仲間を守りながら生き抜いてきた、優しき戦士です。

保護されて4年。

猫には驚くほど優しく、それでいて人にはちょっぴり厳しい彼も、

ちゅーるパーティのときだけは控えめに甘えるようになりました。

そんな姿に、私たちもそっと微笑んでしまいます。

それなのに、最近急に痩せてしまい、心配になって病院へ行くと――

リンパ腫の疑い。

どこに腫瘍があるのかを調べるには全身麻酔が必要ですが、

今の彼の細くなった身体には、その負担があまりにも大きすぎます。

それでも、Temple Catでは優しい人たちに見守られ、

安心できる場所で過ごせていることが、彼にとって少しでも幸せならいいな。

最期のそのときまで、痛みなく、穏やかに。

イナムラくんが安心して過ごせるよう、私たちは全力で寄り添います。

「命を救う」ということは、見送る覚悟を持つことでもあります。

本当は、すべての子たちが温かい家庭に迎えられ、

「救われる命」など必要のない世界であることが理想です。

それでも、救いの手を差し伸べなければ消えてしまう命がある限り、

私たちの活動に終わりはありません。

イナムラくんの時間が、愛とぬくもりに包まれますように。

今日もそっと、寄り添っていきます。

命をつなぐ奇跡に、あなたの力を。

どうかご支援をよろしくお願い致します。